僕らのLIVE 君とのLIFE
読者参加企画で名を馳せる電撃G's magazine、とランティス、サンライズの3者合同プロジェクトから生まれたアイドルユニット『ラブライブ!』のデビューシングル。 この企画は、作品ではなく、アイドルを売るという点が徹底していて、声を担当している声優は公式には明かされていないのがその最たる特徴でしょう。 声優が公開されると、どうしても「作られた」感が増してしまいますが、ラブライブ!では声優を非公開にすることによって、9人のアイドルたちだけが注目されるようになっています。 その徹底ぶりが吉と出るか凶と出るかは、今後の動向次第でしょう。 私個人としては、昨今の声優人気に真っ向から対立するコンセプトに、非常に興味深いものを感じています。 さて、収録内容についてですが、『僕らのLIVE 君とのLIFE』は、これからアイドルとして羽ばたいていこうというメンバーの気概を十二分に感じさせる、前向きで夢と希望に溢れた楽曲になっています。 「あこがれを語る君のゆずらない瞳がだいすき」という歌詞が、とても印象に残っています。 対してカップリングの『友情ノーチェンジ』は、メンバーの、アイドルとしてではなく、女子高生としての要素を感じさせます。アイドルであると同時に、共に大事な場所を守ろうとする友達に対する想いが溢れています。 同時収録のモノローグは、きっちり喋れている子もいれば、たどたどしかったり、あるいは演技臭かったりと、いかにもデビューしたてのアイドルという感じがして、「この子たちの成長を見守っていこう」という気持ちにさせてくれます。 そして同梱のDVDに収録されたプロモーションビデオは、素晴らしいの一言です。たった5分の間にダンスとドラマが詰め込まれ、彼女たちがいかにしてアイドルを目指し、そして練習の末に挑んだデビューシングルのお披露目までが、歌詞と相まって絶妙に描かれています。 物語のすべてを語らず、1つ1つのエピソードやシーンのみを描き、未公開のシーンをファンに想像させるというのは、まさに電撃G's magazineのお家芸ですね。 売りである2D映像と3D映像の融合も、そんなに違和感なく、見事に融和していると感じました。 その2つを加味し、また将来性に期待して、今回は星5つにします。冬に出るというセカンドシングルも大変楽しみです。 なお、封入特典のカード目的で複数買いをさせるというのは、某会いに行けるアイドルユニットのような気もしますが、ジャケット違いで5種類出すアニメもあるので、そんなに非難されるポイントではないと思います By 義畑哀悟