[00:00.00]时代音乐网 www.78497.com [00:00.26]杉田智和 - 山月记 [00:08.82]山月记 [00:10.33]中岛敦 [00:14.07]时に 残月 光冷 [00:17.24]やかに [00:18.90]白露は地に滋く [00:21.37]树间を渡る冷风は [00:23.52]既に暁の近きを [00:25.85]告げていた [00:28.68]人々は最早 [00:30.59]事の奇异を忘れ [00:33.04]粛然として [00:34.85]この诗人の薄幸を叹じた [00:39.48]李徴の声は再び続ける [00:44.66]何故 [00:46.35]こんな运命になった [00:47.94]か判らぬと [00:49.70]先刻は言ったが [00:52.09]しかし [00:53.54]考えように依れば [00:55.74]思い当ることが [00:57.99]全然ないでもない [01:01.19]人间であった时 [01:04.19]己は [01:05.46]努めて人との交を避けた [01:09.74]人々は己を倨傲だ [01:14.18]尊大だといった [01:17.26]実は [01:18.56]それが殆ど [01:20.24]羞耻心に [01:21.06]近いものであることを [01:23.83]人々は知らなかった [01:27.45]勿论 [01:29.20]曾ての郷党の鬼才と [01:30.90]いわれた自分に [01:33.21]自尊心が无かったとは [01:34.81]云わない [01:37.54]しかし [01:39.34]それは臆病な自尊心とでも [01:41.36]いうべきものであった [01:45.63]己は [01:47.00]诗によって名を成 [01:48.20]そうと思いながら [01:49.93]进んで师に就いたり [01:52.69]求めて [01:53.99]诗友と交って [01:56.00]切磋琢磨に努めたり [01:57.39]することをしなかった [02:00.99]かといって [02:02.91]又 [02:03.88]己は俗物の间に伍する [02:05.65]ことも [02:07.22]洁しとしなかった [02:10.94]共に [02:12.21]我が臆病な自尊心と [02:15.49]尊大な羞耻心と [02:16.65]の所为である [02:20.59]己の珠に非ざることを [02:23.51]惧れるが故に [02:25.61]敢て刻苦して [02:26.60]磨こうともせず [02:29.13]又 [02:30.93]己の珠なるべきを [02:33.13]半ば信ずるが故に [02:36.10]碌々として [02:38.13]瓦に伍することも [02:39.36]出来なかった [02:42.45]己は 次第に世と离れ [02:46.02]人と远ざかり [02:48.31]愤闷と惭恚とによって [02:51.77]益々己の内なる [02:52.94]臆病な自尊心を [02:55.79]饲いふとらせる [02:56.87]结果になった [03:00.37]人间は [03:02.00]谁でも猛獣使であり [03:04.84]その猛獣に当るのが [03:07.64]各人の性情だという [03:11.40]己の场合 [03:12.91]この尊大な羞耻心が [03:14.51]猛獣だった [03:16.81]虎だったのだ [03:20.60]これが己を损い [03:22.55]妻子を苦しめ [03:24.90]友人を伤つけ [03:27.24]果ては [03:28.82]己の外形をかくの如く [03:32.15]内心にふさわしいものに [03:34.71]変えて了ったのだ [03:38.11]今思えば全く [03:40.82]己は [03:41.95]己の有っていた [03:43.30]仅かばかりの才能を [03:44.75]空费して了った訳だ [03:48.40]人生は [03:50.10]何事をも为さぬには [03:52.16]余りに长いが [03:54.16]何事かを为すには [03:56.72]余りに短いな [03:57.63]どと口先ばかりの警句を [03:59.37]弄しながら [04:01.42]事実は [04:03.07]才能の不足 [04:03.97]を暴露するかも [04:05.06]知れないとの卑怯な危惧と [04:08.47]刻苦を厌う怠惰とが [04:11.38]己の凡てだったのだ [04:14.58]己よりも [04:15.91]遥かに乏しい [04:16.85]才能でありながら [04:18.91]それを専一に [04:19.89]磨いたがために [04:22.17]堂々たる诗家となった者が [04:24.76]几らでもいるのだ [04:27.75]虎と成り果てた今 [04:30.40]己は [04:31.85]渐くそれに気が付いた [04:34.85]それを思うと [04:37.10]己は今も [04:38.65]胸を灼かれるよう [04:39.85]な悔を感じる [04:43.40]己には最早 [04:45.28]人间として [04:46.18]の生活は出来ない
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[00:08.82]山月记
[00:10.33]中岛敦
[00:14.07]时に 残月 光冷
[00:17.24]やかに
[00:18.90]白露は地に滋く
[00:21.37]树间を渡る冷风は
[00:23.52]既に暁の近きを
[00:25.85]告げていた
[00:28.68]人々は最早
[00:30.59]事の奇异を忘れ
[00:33.04]粛然として
[00:34.85]この诗人の薄幸を叹じた
[00:39.48]李徴の声は再び続ける
[00:44.66]何故
[00:46.35]こんな运命になった
[00:47.94]か判らぬと
[00:49.70]先刻は言ったが
[00:52.09]しかし
[00:53.54]考えように依れば
[00:55.74]思い当ることが
[00:57.99]全然ないでもない
[01:01.19]人间であった时
[01:04.19]己は
[01:05.46]努めて人との交を避けた
[01:09.74]人々は己を倨傲だ
[01:14.18]尊大だといった
[01:17.26]実は
[01:18.56]それが殆ど
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[01:21.06]近いものであることを
[01:23.83]人々は知らなかった
[01:27.45]勿论
[01:29.20]曾ての郷党の鬼才と
[01:30.90]いわれた自分に
[01:33.21]自尊心が无かったとは
[01:34.81]云わない
[01:37.54]しかし
[01:39.34]それは臆病な自尊心とでも
[01:41.36]いうべきものであった
[01:45.63]己は
[01:47.00]诗によって名を成
[01:48.20]そうと思いながら
[01:49.93]进んで师に就いたり
[01:52.69]求めて
[01:53.99]诗友と交って
[01:56.00]切磋琢磨に努めたり
[01:57.39]することをしなかった
[02:00.99]かといって
[02:02.91]又
[02:03.88]己は俗物の间に伍する
[02:05.65]ことも
[02:07.22]洁しとしなかった
[02:10.94]共に
[02:12.21]我が臆病な自尊心と
[02:15.49]尊大な羞耻心と
[02:16.65]の所为である
[02:20.59]己の珠に非ざることを
[02:23.51]惧れるが故に
[02:25.61]敢て刻苦して
[02:26.60]磨こうともせず
[02:29.13]又
[02:30.93]己の珠なるべきを
[02:33.13]半ば信ずるが故に
[02:36.10]碌々として
[02:38.13]瓦に伍することも
[02:39.36]出来なかった
[02:42.45]己は 次第に世と离れ
[02:46.02]人と远ざかり
[02:48.31]愤闷と惭恚とによって
[02:51.77]益々己の内なる
[02:52.94]臆病な自尊心を
[02:55.79]饲いふとらせる
[02:56.87]结果になった
[03:00.37]人间は
[03:02.00]谁でも猛獣使であり
[03:04.84]その猛獣に当るのが
[03:07.64]各人の性情だという
[03:11.40]己の场合
[03:12.91]この尊大な羞耻心が
[03:14.51]猛獣だった
[03:16.81]虎だったのだ
[03:20.60]これが己を损い
[03:22.55]妻子を苦しめ
[03:24.90]友人を伤つけ
[03:27.24]果ては
[03:28.82]己の外形をかくの如く
[03:32.15]内心にふさわしいものに
[03:34.71]変えて了ったのだ
[03:38.11]今思えば全く
[03:40.82]己は
[03:41.95]己の有っていた
[03:43.30]仅かばかりの才能を
[03:44.75]空费して了った訳だ
[03:48.40]人生は
[03:50.10]何事をも为さぬには
[03:52.16]余りに长いが
[03:54.16]何事かを为すには
[03:56.72]余りに短いな
[03:57.63]どと口先ばかりの警句を
[03:59.37]弄しながら
[04:01.42]事実は
[04:03.07]才能の不足
[04:03.97]を暴露するかも
[04:05.06]知れないとの卑怯な危惧と
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[04:11.38]己の凡てだったのだ
[04:14.58]己よりも
[04:15.91]遥かに乏しい
[04:16.85]才能でありながら
[04:18.91]それを専一に
[04:19.89]磨いたがために
[04:22.17]堂々たる诗家となった者が
[04:24.76]几らでもいるのだ
[04:27.75]虎と成り果てた今
[04:30.40]己は
[04:31.85]渐くそれに気が付いた
[04:34.85]それを思うと
[04:37.10]己は今も
[04:38.65]胸を灼かれるよう
[04:39.85]な悔を感じる
[04:43.40]己には最早
[04:45.28]人间として
[04:46.18]の生活は出来ない